
経済や会社、株式市場のことは、子どもには難しい特別な話?―。いえいえ、そんなことは決してありません。毎年恒例の「親子で学ぶ夏休み株式市場の観察」企画、今回はまず金融教育に詳しいシンクタンク・ソフィアバンク副代表の藤沢久美さんに解説していただきます。ぜひ夏休みの自由研究として、お父さん・お母さんも一緒に会話を広げながら取り組んでみてください。生きた経済を通じて見る世の中の仕組みや動きに、きっと大切な発見があるはずです。
「会社」とはどういうものかを考えてみましょう。お父さんやお母さんが会社で仕事をしている人も多いでしょう。ふだん買い物をするスーパーマーケットやハンバーガーのチェーン、ゲーム機や自動車をつくっているのも会社です。
さらにハンバーガーをつくるためには、お肉やパンなどの食材が必要です。自動車1台にも、鉄など数多くの種類の材料や部品が使われています。こうした食材をつくる会社、自動車の部品をつくる会社などもたくさんあります。私たちの目に直接触れる機会はあまりないですが、それらの会社も、おいしいハンバーグができるよう、あるいは高性能で環境にやさしい自動車ができるようにと努力をしているわけです。
会社の仕事は、私たちの暮らしに結びついています。社会がさまざまな役割を持つ会社や人々によってつくられていること、そしてそれらがものやお金を通じてつながっていることを、ぜひ親子で話し合いながら考えてみてください。
たとえばお母さんとお店に行って、サラダに使うドレッシングを買うとしましょう。たくさんの種類のドレッシングがある中で、どれを選びますか?
お父さんの健康を考えて、低カロリーなものでしょうか。それとも子どもが好きな味のもの、あるいは値段が一番安いものでしょうか―。
商品を選んで買うということは、自分が良いと思う商品をつくっている会社に「応援の1票」を入れることでもあります。払ったお金は、その会社のもうけにつながります。
同じように個人が「投資家」という立場から、応援したい会社に1票を入れるのが、株式投資だといえます。私たちの生活に役立つことをしてくれそうな会社、世の中の多くの人たちに支持されそうな会社の株式を買うことで、その会社はビジネスをするための元手となるお金を得ることができます。そしてその会社がうまく利益を出せたとき、利益の一部が「配当」という形で、株式を買ってくれた人(株主)に配分されるという仕組みです。
株式の価格(株価)が毎日上がったり下がったりすることは、ふだんのニュースなどを見て知っている人もいるでしょう。どうして株価は変わるのでしょうか―。それは株式を、サッカーチームのファンクラブチケットみたいなものだと考えれば分かりやすいでしょう。
好きなチームのチケットを持っていれば、スタジアムで観戦しながら応援できます。ところがスタジアムに入れる人数には限りがあります。人気のあるチームのチケットならば、欲しい人が大勢いるため、高い値段でも買いたい人が出てきます。でも、あまり人気のないチームのチケットの場合は、欲しい人が少ないので、値段が安くないと売れないのです。
チームの人気は何カ月も何年もかけて変わっていくものですが、さらに短い期間でもチケットの値段に影響することがあります。たとえばあるチームが、雨の日の試合がすごく苦手だったとしましょう。誰も負ける試合は見たくありませんから、雨が降りそうな日はチケットの価値が下がります。天気予報が「晴れ」ならば、チケットの価値は上がるでしょう。実際の株価も、同じようにさまざまな理由が重なりながら、日々動いているのです。